タペンタドールが変えるがん疼痛治療
―ケースで学ぶ鎮痛薬の選択法―

ISBN 978-4-906829-68-2
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3,080円(税280円)
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メテオ・メディカルブックセンター

     

がん患者の痛みについての豊富な知識と、画期的な新鎮痛薬を使いこなすコツを伝授!

書籍情報

  • 著者
    静岡県立静岡がんセンター緩和医療科 部長 大坂 巌
    静岡県立静岡がんセンター緩和医療科 医長 佐藤哲観
  • 定価(本体2,800円+税)
  • A5判/88頁/2色刷/図39点・表2点
  • ISBN978-4-906829-68-2
  • 発行日:2016年10月5日(第1版)

本書の特長

  • μオピオイド受容体作動とノルアドレナリン再取り込み阻害という2つのメカニズムを併せ持った、新たな鎮痛薬タペンタドールの登場で、鎮痛効果が他のオピオイドに引けを取らず、嘔気・嘔吐や便秘などの消化器症状が少ないという、従来のオピオイド鎮痛薬では成し得ない画期的ながん疼痛治療が可能になりました。
  • 本書は、基礎編で、がん患者の痛みに関する総論とタペンタドールの特徴を解説します。がん患者の痛みについての他書では得られない知識と、この製剤のユニークさが学べます。
  • 臨床編では、タペンタドールの臨床研究を概説し、治験段階から携わってきた著者自らが経験した、日常良く遭遇するケースから、かなり難しいケースまでの7症例を紹介。タペンタドールを使いこなすコツと鎮痛薬の選択法を伝授します。併せて、使用にあたって抱く疑問にQ&A形式でお答えしています。
  • 本書によって、医療者のがん疼痛治療に対する考えに少しでも幅ができ、その延長線上に患者さんとご家族の笑顔が増えることを願います。

目次

  • 〔基礎編〕
    • 第1章 がん患者の痛み
      • 1. 痛みとは何なのか
      • 2. 痛みを作り出すメカニズム 〜侵害刺激の上行路と下行性痛覚抑制系〜
      • 3. 侵害受容性疼痛と神経障害性疼痛
      • 4. 生体アラームとしての痛みと病的な痛み 〜急性痛と慢性疼痛〜
      • 5. ヒトは基本的に「痛がり屋さん」 〜知覚神経系の可塑性と痛覚過敏〜
      • 6. がん患者が抱える痛みの原因
      • 7. WHO がん疼痛治療法
    • 第2章 タペンタドールの特徴
      • 1. 薬物動態
      • 2. 作用機序
      • 3. 動物実験における鎮痛効果のエビデンス
  • 〔臨床編〕
    • 第1章 タペンタドールの臨床研究
      • 1. 無作為化比較試験
      • 2. その他の臨床試験
      • 3. 他のオピオイドとの比較
    • 第2章 症例
      • 1. オピオイド未使用のケース
      • 2. トラマドールから変更したケース
      • 3. オキシコドンから変更したケース
      • 4. 神経障害性疼痛に有用であったケース
      • 5. 腎障害のケース
      • 6. がん治療による神経障害性疼痛とがんに起因する痛みが混在していたケース
      • 7. 癌性腹膜炎のケース
    • 第3章 タペンタドールを使いこなすコツ
      • 1. 剤形にかかわる配慮
      • 2. Bioavailability や薬物相互作用にかかわる考察
      • 3. オピオイドの代表的な副作用である便秘や嘔気・嘔吐を回避したい患者に積極的に用いる
      • 4. 痛みのメカニズムによるオピオイドの使い分け
      • 5. 他のμオピオイドからのスイッチに際して
      • 6. 突出痛対策
      • 7. 最大量を投与しても十分な鎮痛が得られないとき
    • 第4章 Q&A
      • Q1 従来のオピオイドと比べて違う点は何ですか?
      • Q2 製剤は持続性を保つためにどのように工夫されているのでしょうか?
      • Q3 どのような患者さんが適応となるのでしょうか?
      • Q4 タペンタドールを開始するにあたり注意しなければならないことは何でしょうか?
      • Q5 レスキュー・ドースには何を処方すればいいのでしょうか?
      • Q6 タペンタドールを開始するのであれば、緩下剤や制吐剤を処方するは必要ありませんか?
      • Q7 タペンタドールを他のオピオイドと併用する意義はありますか?
      • Q8 μ受容体への結合親和性やノルアドレナリン再取り込み阻害作用は、どのくらい強いのでしょうか?
      • Q9 用量をあげるとノルアドレナリンが増加することが想定されますが、それに伴う副作用はあるのでしょうか?
      • Q10 神経障害性疼痛に有効であるというエビデンスはあるのでしょうか?

読者対象

緩和医療に携わる医師・看護師・薬剤師ほか医療スタッフ

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