口腔ケアの考え方から実際までをオールカラーでわかりやすく系統的に記載!
書籍情報
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- 監修
- 筑波大学名誉教授 紙屋克子
- 医療法人三和会東鷲宮病院副院長 水原章浩
- 著者
- 独立行政法人国立長寿医療研究センター
- 歯科口腔先進医療開発センター歯科口腔先端診療開発部部長 角 保徳
- 定価(本体3,500円+税)
- B5判/80頁/オールカラー/図92点
- ISBN 978-4-906829-08-8
- 発行日 2013年11月25日(第1版)
本シリーズの特色
- 高齢者の医療は今日ますます重要課題となっています。しかも医療は医師・看護師・薬剤師・介護士(家族)が個別に成り立つわけではなく、チーム医療が必要です。
- そのような観点から、今、お年寄りの治療・看護・介護のために差し迫っているテーマを挙げ、医師とコメディカル双方の側面から解説します。
- 熟練のプロフェッショナルによる、熟達した、根拠のある確かな内容を学ぶことによって、医療スタッフがプロ意識を持って日々の臨床で実践していける書物を出版します。
監修のことば
医療が進歩した結果、脳卒中や認知症で寝たきりになった高齢者も生命を存続させることが可能になってきました。
いまや世の中は高齢者に対する医療、ケアを真剣に考えるときを迎えたのです。
私は以前から、そういった世の中を見据えて「高齢者〜寝たきりシンドロームからの脱却」といった合言葉を掲げ、高齢者のかかえている問題点、褥瘡、栄養、嚥下、リハビリといった問題にどう対処していったらいいかを論点としたセミナーを開催し、地域で啓蒙活動をしてきました。
高齢の患者さんをどう扱っていくかは、目をそらせてはいけない課題です。
彼らは私たちの社会を築き上げてきた人生の功労者であるという視点を決して忘れずに、しっかりと向き合っていきたいと思っています。
このシリーズが高齢者の医療、看護、介護にあたるスタッフの一助になることを祈念してやみません。
本書の特長
- 本格的な高齢社会を迎えたわが国では、『健康寿命』をいかに延ばすかが大きな課題になっています。なかでも、高齢者の『食』を守る口腔機能の維持・向上が重要になり、口腔ケアは単に口腔衛生の予防的手段ではなく、全身疾患の改善や健康増進に向けた医療の一環と考えられるようになってきました。
- 口腔ケアが求められる病院、施設、在宅の現場では、全身状態や全身疾患への理解に加えて口腔状態や口腔疾患への理解が必要とされ、歯科医師・歯科衛生士を含むチームアプローチが求められます。一方、多くの看護・介護の現場では看護師や介護者などが全身的なケアに加え、要介護高齢者の口腔ケアに関与しているのが現状です。
- 本書は、日常業務に追われ多忙な看護師や介護者の方々が、口腔ケアを理解し、明日から実践していただけるように、看護師や介護者が行う口腔ケアについて、その考え方から実際までをオールカラーでわかりやすく系統的に記載しました。
目次
- 1 総論
- 1. 口腔ケアの目的
- 2. 口腔ケアの普及方法
- 3. 標準化した口腔ケア、“口腔ケアシステム”
- 4. 専門的口腔ケア
- 5. 健康な方の口腔管理
- 6. 口腔と全身との関わり
- 7. 薬剤による口腔病変
- 1)ビスフォスフォネート系薬剤による顎骨骨髄炎
- 2)ワーファリン®による口腔出血
- 3)カルシウム拮抗薬による歯肉増殖
- 4)メトトレキサートの副作用としての口内炎
- 8. 口腔の観察ポイント
- 9. 口腔ケア時の体位
- 2 各論
- 1. 全身状態に伴う口腔管理
- 1)脳卒中患者の対処方法
- 2)認知症患者の対処方法
- 3)意識障害のある患者の対処方法
- 4)出血傾向のある患者の対処方法
- 5)廃用症候群患者への対処方法
- 6)経管栄養、胃瘻患者の対処方法
- 7)口腔ケアや食事中の誤嚥、窒息
- 8)ADLのレベル別の口腔ケア
- 9)周術期の口腔管理
- 2. 口腔局所疾患や状態に伴う口腔管理
- 1)口腔乾燥症(ドライマウス)
- 2)舌病変
- 3)口腔粘膜病変
- 4)口臭・味覚障害への対処方法
- 5)顎関節などの病変
- 6)歯牙疾患への対処方法
- 7)義歯の管理
- 3. 口腔ケアに関連するトラブル
- 1)咬傷
- 2)口腔ケア用品の破損
- 3)口腔ケア用品の誤飲
- 4. 口腔ケア用品
読者対象
高齢者医療に携わる医師、歯科医師、看護師、介護スタッフ、患者家族